建設現場には様々な業種の職人がいます
その中でも
内装工程の1番手として作業を開始するのが
軽量鉄骨屋
軽鉄屋と略称されたりすることもあります
LGS = Light Gauge Steel
という材料を使って
壁や天井の骨組みとなる下地を建込んでいく役割
電気 設備 建具 ボード クロス
内装のほとんど全ての工程が
このLGSから展開していきます
皆さんの身近にはいるでしょうか
多少仕事は荒いけど
ものすごいスピードで作業を進めていく人
我が社にもいるんです
とんでもなく早い軽鉄屋の先輩が
ここでは仮に爆速先輩と呼ばせていただきます
老人ホームのように
同じ形の小部屋が並ぶ建物を
イメージして下さい
真四角な部屋にトイレの囲いが1つ
玄関付近に物入れと下足入れが1つずつ
洗面化粧台が据わるフカシ壁が1箇所
一般的なペースで仕事ができる軽鉄屋さんなら
1部屋終わって
次の部屋の段取りを終えた頃に終業時刻
ところが爆速先輩は
気付けば3部屋目の半分くらいまで組んでいる
これだけを聞くと「すごい先輩じゃないか」
と思うかもしれません
実際にすごい
仕事もよく知ってるから何をやらせても早い
私もこのスピード作業に
何度も救ってもらいました
ところがこのスピード
電気設備の目線から見ると
少し事情が変わってきます
あまりの早さに
工程が置き去りにされてしまうんです
電気の先行配線や設備の先行配管を追い越し
その先も止まる事なく組んでしまう為
その範囲はLGSのスキマに
手や頭を突っ込み作業をする事になってしまう
その結果 作業は上手く流れず
電気設備の工程の遅れや
手戻り作業を引き起こしかねません
これでは我々ボード屋が施工する頃には
電気屋さん 設備屋さんと
互いに足を引っ張り合うような形で
作業をする事になってしまう
速さが武器であるはずの軽鉄工事が
別の工程では負担になってしまうんです
このままいくと絶対にそうなると思い
私はある提案をしてみました
内装担当の監督と電気設備の職長を交え
「工程表にない工程を作ろう」
と持ちかけました
内容は以下の通り
小部屋が終わりに近づいているこのタイミングで
電気屋さん 設備屋さん 共に
優先してLGSを組んでほしいエリアを洗い出す
その場所の先行配線配管を進めてもらうと同時に
空調器具の吊り込み
電気設備の地墨出し
これらもこの段階で済ませてもらう
監督にはLGSの指示墨
下がり天井 フカシ壁の位置確認
他にも局所的に絡む作業の
日程調整に協力してもらった
思いがけず現場が進む提案だったのか
監督も電気設備さんも快く引き受けてくれた
こうして爆速先輩を止めずに現場を進められる
別ステージが用意できた
爆速先輩「なああぶちゃん、部屋なくなったら
俺次どこやんの? もうやるとこなくない?」
私は廊下の先にある
この現場で1番広い部屋を指差した
爆速先輩「マジかよ これ全部やっていいの?
広いじゃーん おいしいじゃーん」
爆速先輩は嬉しそうな表情で
残りの作業を終わらせ
大部屋の段取りを始めました
この日
電気も設備も困る事なく
爆速先輩を止める事もなく
監督は安心して自分の作業に集中できた
当たり前の打ち合わせ
仕上がりには残らない見えない調整
だけど現場を進める上で怠ってはならない
大事な連携
数ある問題のうちの一つを処理したに過ぎないが
そこには確かにみんなで繋いだ
理想の現場ができました
次の日
爆速先輩「もうすぐ終わるけど次どこやんの?」



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