5月初旬 いかがお過ごしでしょうか?
徐々に気温が上がるにつれて
服装の軽装化や空調服の準備を始めた方も
増えてきた頃ではないでしょうか
毎年この時期になると
建設現場での朝礼時やKY活動時に
監督さんや職長さんから
「熱中症」という言葉が出てくるようになります
なぜ暑さが本番にもなっていないこの時期に
熱中症に気をつけろと言われるのか
今回のブログでは
5月〜6月にかけての熱中症の危険性とは
いったいどういうものなのか
できるだけ分かりやすく解説したいと思います
なぜ5月から熱中症の注意喚起が行われるのか
それは
涼しい季節から急激に暑い季節に変わるのに
我々の身体はまだ防寒モードのままだからです
5月は気温が30度にも迫るほど急上昇する時期
身体が暑さを感じれば自然と服装は
気温に応じたものに衣替えをしていくはずです
しかし我々の身体は急激な気温の変化に対して
パッと半袖に着替えるような事はできません
そこに5月〜6月の気温が突然やってきたら
防寒着を着たまま全力で走っているのと
同じような負担を身体にかけている事になります
寒い冬を過ごしている間に我々の身体は
汗をかく事で熱を逃さないように
毛穴や血管をギュッと閉じてしまっています
つまり今 我々の身体は
汗をかく準備ができていない状態で
暑いと感じる環境の中
日々の労働をしている事になります
暑さが更に増してくる時期に
汗の質が変わる事をご存知でしょうか?
この時期の汗は肌にベタっとまとわりつく
非常に気持ちの悪いものですが
これは汗が流れるのと一緒に
本来身体に残しておくべき塩分やミネラルが
流れてしまっているからです
今まで身体に留めておけたものが流れ出すと
今まで感じなかった疲労感や倦怠感を
強く感じる事になります
ところが汗をかく事に身体が慣れ始めると
身体に塩分やミネラルを残したまま
ほぼ水分のようなサラサラとした汗に変わります
建設現場で仕事をしている方は特に
切り替わりを体感しやすいと思います
この状態が「夏の身体」に変わったサインです
このように我々の身体は
気温の急激な上昇に対して順応していきますが
この「身体を夏仕様に切り替えていく過程」を
専門的な言葉では「暑熱巡化」と言います
熱中症予防という言葉をよく聞くと思いますが
つまりはこの「暑熱巡化」をどのように理解し
身体にうまく促せるのかというところが
良質な熱中症予防そのもの という事になります
「こまめに水分塩分を摂り
適度に休憩をしましょう」
これは皆さんに
無意識な状態でも暑熱巡化を促す言葉であり
難しく考えない為の合言葉のようなもの
それに加えてこの身体のメカニズムを理解し
日々の仕事にほんの少し取り入れられれば
より理想に近い熱中症予防が見込めるはずです
しかしこの暑熱巡化というものは
体質や習慣に起因するところが大きく
全員に同じ速度で起こるものではありません
普段からスポーツや筋トレ ランニング等で
しっかり汗をかく習慣がある方
日頃から湯船に浸かる習慣の方は
比較的早い段階で
夏の身体に切り替わっていく傾向があります
逆に
仕事以外ではほとんど汗をかかない習慣の方
冷房の効いた空間で過ごす時間が長い方は
身体が汗をかく事そのものに慣れるまで
少し時間がかかる傾向にあります
また
アルコールや喫煙の習慣が強い方は
睡眠の質や水分バランスへ影響が出る事もあり
体調管理という意味では
少し注意が必要な時期かもしれません
ちなみに
5月特有の あの何とも言えないダルさ
休んでも疲れが取れずやる気が全然出ない
いわゆる「五月病」と呼ばれる身体の異変
実は急激な気温の変化による自律神経の乱れや
汗とともに失われる水分や塩分
ミネラルが不足した事による
身体のパニック状態です
熱中症初期段階の一歩手前の状態に
よく似ていると言われています

WBGT表は
「気温」と「湿度」の組み合わせで
熱中症の危険度を数値化する事ができます
天気予報等で当日の「気温・湿度」を調べて
左側の「気温」と上側の「湿度」が交わる数字
これが現在のWBGT値です
例えば
気温30°C 湿度70%
この場合WBGT値は29となり
表では赤色の「危険」に分類されます
気温が30°Cだから危険 ではなく
湿度が70%だから危険 でもなく
気温と湿度の組み合わせで
身体に熱がこもりやすくなる条件を可視化し
熱中症危険度に合わせて対策をする
これがWBGT値の考え方となります

ここで
皆さんの身体を綺麗な水が入った
一杯のグラスだと思ってください
健康で 水分や塩分ミネラルが十分な身体は
濁りのない綺麗な水で満たされています
そこに暑さや疲労
大量の発汗による水分不足や
汗と一緒に塩分やミネラルが失われていくと
少しずつ綺麗な水の中に
黒いインクが落ちて濁っていくように
健康のバランスが崩れていきます

この濁りこそが
身体のダルさや頭痛を引き起こし
熱中症の原因となるものです
濁ったらどうすれば良いか
方法は2つです
まず1つは
失われた水分や塩分 ミネラルを
グラスの中に継ぎ足してあげましょう
濁った水を綺麗な水で薄めるイメージです
もう1つは
汚れた水を少しずつ排出することです
我々の身体には
汚れを濾過するフィルターと
その汚れを排除する機能が備わっています
濁った水を新しい水で薄め
溢れそうな水をどんどん排出していけば
グラスの中の透明な状態の水を保ち
健康を維持する事ができます
シンプルに言えば
どんどん水分を摂り
しっかりと汗をかき
どんどん排出すること
身体の中を綺麗な状態の水で循環することが
熱中症対策の基本であり
とても良質な健康管理となります
最後になりますが
我々の生まれ育ったこの日本という国は
高温多湿という極めて熱中症になりやすい
気候条件で有名です
この国で生まれ育った我々の身体は
潜在的に高温多湿という環境に順応しています
言い方を変えると
我々日本人の高温多湿経験値は
極めて高いものだと言えるでしょう
しかし
そんな我々日本人でも
毎年多くの方々が熱中症で倒れ
救急搬送されています
慣れているはずの気候条件でも
身体が夏を迎える準備が整っていなければ
我々の身体は簡単に限界を超えてしまいます
だからこそ
この暑熱巡化という身体の特性を理解し
身体を夏仕様に切り替える準備を
日頃から心がけておく事
それが
これから更に厳しくなっていく暑さと
毎年の高温多湿と付き合っていく上で
非常に重要になってくるのだと思います
今年も皆さんが
元気に夏を乗り切っていく為の
一助となれれば幸いです
本日も ご安全に



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